土方オヤジに注目させられた話
120%天然の土方オヤジたち
以前、土方のバイトをしてたことがあって(簡単に言うと日雇い土方)、そのとき数々の個性的な土方オヤジたちがいました。 若い連中はわりと普通でしたが、オヤジたちはなぜか
120%天然が入ってる人ばかりでした。 20%飛びこえてるのは親父たちの頭がぶっ飛んでる分です。 毎日笑って腹よじれてましたね、土方時代は。 あの思い出は、愛すべき天然オヤジたちの存在あってのことだなぁと、この記事を書くことに決めてから今更ながら思います。
そんな懐かしい土方時代の話をひとつふたつしてみたいと思います。 まずは2本立て、土方オヤジに注目させられた話です…
オヤジ、顔がマジだな… 何を書く!?
これはあるオヤジと作業現場にいた時の話です。 明るいひょうきんなオヤジで僕のお気に入りのオヤジの一人でした。
気取らずよく冗談を言って笑わしてくれましたね。無邪気な感じのいたずら坊主のような表情したオヤジでした。
そんなオヤジが休憩時間のあるとき、ちょうど二人して地面にしゃがんでいると ふと傍にあった鉛筆くらいの棒切れをとりました。
何するんだろうな?
と思って見ていると、黙ってマジな顔をしています。 いつもなら冗談でも言いながら話してところなのに。
なんだろうと思っているうちに地面に字を書き始めました。
おっ、何を書くんだ!?
字など書いて見せたことがないオヤジが、力を込めて地面をなぞる… 四角い文字をしっかり書き始めています。 描いているようにも見える…
絵なのか!? いや、字だよな…?
しっかり縁取りした「口」という字の中に、力を込め書き続ける…。 気楽な雰囲気が持ち味のオヤジの目元は力が入っています。
な、何を書くんだ??
・・・しばらくして出来上がった文字は
ただの田んぼの
「田」
だけだった…。
立派な田んぼの「田」の字を1コだけ書いたら、オヤジはいつものいたずら坊主顔に戻っていました。 やっぱりオヤジだった(笑)
その後の仕事はそれを思い出して笑う一日になりました🤣🤣🤣
それにしてもあのマジな顔はなんだったんだろう・・・
オヤジ、後頭部を強打! 大丈夫か!?
あれは現場へ行く前のことか、現場から事務所へ戻ってからのことだったのか忘れましたが、土建会社の事務所が小さなビルの2階にありました。
2階からは幅が狭くて急な階段が、途中で90°に曲がって地上までつながっていました。
そのとき僕はその階段の下の地上に立っていました。 すると2階の方から
ドタバタドタァア〜!!
と何かが激しく崩れ落ちるような音がしました。
何かが落ちてくる・・・!
と思ってすぐに地上から階段の上の方を見上げる。まだ音だけがする。
ドタドタバタァ〜!!
次の瞬間、おっさんらしき人間がそのコンクリート製の急な階段を思いっきり回りながら転げ落ちてきました。
ドタバタぐるんバタン!ぐるんドタバタン!
階段の途中のカーブもキレイに曲がり、勢いよく僕の足元の地面に落ちてきました。
最後に後頭部を
ガコーン!!!
うわぁ死んだ!!
そう思うと同時に、オヤジが横向きにダンゴムシになる。 生きてるか…!?
コンクリートの地面に打ちつけた頭を抱えてじっとしているオヤジ。
ピクリともしない、意識があるのかどうかもわからない…
以前にも頭を打った人間を見たことがあったけど、そのときはひどくケイレンしていたがこのオヤジは動かない… 死んだ・・・?
救急車を呼ぼうかと思った1〜2分たった頃、そのオヤジがムクッと動き出した。
服の胸ポケットから震える手で何かを取り出そうとしながら、なんとか座ろうとする…
大事な何か(連絡先とか)を出そうとしてるのか・・・?
連絡を託されるのかなと気にしながらそばで見ていると、オヤジはなんとか座ろうとする。
そしてオヤジは震える手でポケットから取り出す…
手にはつぶれかけたタバコが1本・・・?!?
転げ落ちてきて死にかけた地面にそのままあぐらをかき、オヤジはニヤニヤしながらタバコをふかしはじめました…
なんや、余裕なんかい!!🤪🤣